2-3.調教タイム

投稿者: | 2022年3月2日

 馬の能力については、レース中の走破タイムを数値化した「スピード指数」について書かせていただいたが、前走のスピード指数がかなり低いのに、いきなり好走してくる馬もいる。
展開が向いて(超スローペースに落として)人気薄での逃げ切りとか、逆に超ハイペースになって差し決着など展開を利して上位に来るケースもあるが、この場合は展開を読めば人気薄の馬を拾えるかもしれない。ただ、馬は生き物で成長もする。オリンピックに出場するようなスポーツ選手は、普段から練習して大会で成績を残して代表になり、国の代表としてオリンピックに出場する訳だが、練習でできなかった事が本番でもできるはずがない。練習でできていた事を本番でもできるようにされていると思うのだが、馬も一緒じゃないかと思う。

 調教である程度時計を出していないと、レース(本番)でも速く走る事なんて難しいのではと思う。もちろん例外はある。調教で全く走らない(タイムを出さない)けどレースでは強い馬とか、逆もしかりで調教でバンバン好時計を出すのにレースでは全くダメという馬もいる。どちらのタイプかは過去の好走時の調教タイムと比較すれば、ある程度どちらのタイプかわかる。ただ、タイム指数のところでも少し触れさせていただいたが、レースでは「馬場指数」を考慮して走破タイムの価値を数値で表しているので、調教でも調教する場所のコンディションが日々違うのではないかと。レースと同じように馬場指数みたいなものを考慮して調教タイムが速いのか遅いのか、数値化できないかと思ったが、調教する場所(南Wや美浦坂路、栗東坂路・CWなど)によって調教される馬の頭数も違えば、クラスも違う上に、レースのように「時計が1つ」ではなく、ラップ表示のもの。
いろいろ考えた結果、日別で調教する場所ごとに各時計を並べてみて、その時計がどれぐらいの位置(上から何番目とか)なのかで速い/遅いを判断しようと。調教する日によって(特に日曜など)は追い切り頭数も少ないが、日曜日に追い切る厩舎はある程度決まっていて、大半は週中の水曜と木曜に集中しているので、同じレースに出走している馬同士を比較すると日曜追いの馬が高く出てしまいがちだが、その馬の過去の時計と比較すれば速い時計なのか遅い時計なのかは判断できるので、採用している。もちろんラップタイムだけではなく、追われた時の強さや位置も考慮している。

 実際の数値はウマい馬券で書いている予想の原稿内に今回の最終追い切りの数値と、過去5走の最終追い切りの数値を掲載しているので、そちらをご覧いただければと思うが、2022/2/6の東京新聞杯

勝ったのは11.イルーシヴパンサーで、今回の最終追い切りは「66」。4走前に「69」をマークしているが、4走前は皐月賞。皐月賞に関してはまぁ出来は良かったと思うが、距離か能力的に足りていなかったのか…。ただ、見解内でも少し触れさせていただいた3走前、好時計勝ちした2021/6/26の1勝クラスが調教「62」。その後「55」「56」と来て今回が「66」。3走前と比べると速い時計が出ていて実際の追い切り時計を見ても3週連続で速めの時計を出してきていたので、馬自身の成長もうかがえた追い切りだった。というような感じで追い切りと成績をリンクさせて見ている。

 私の場合、自分でプログラムを組んである程度算出しやすい環境を作ってしまっているが、通常でもnetkeibaで今回の調教と過去の調教を比較すれば、単純な時計比較もできる。

画像の方加工してしまっているが(2レース分カット)、netkeibaの場合調教の基準タイムを設定してあり、設定値によって色が違う。
基準値はこちら
単純に色を見るだけでも、速いか遅いかわかるようにはなっているので、ご覧いただければと思う。
(この基準値、毎年私の方で決めて担当の方に連絡していたのだが、最近は算出方法をお伝えしてよしなに集計いただいている)

 調教タイムの時計についてばかり書いてしまったが、タイム以外については井内さんの本をご覧いただいた方がわかりやすいと思うので、そちらをご覧いただければと思う。

調教タイムについては、
・馬の調子や成長を推測する指標として、ある程度は使える。(例外はいる)
・出走馬同士よりも、その馬の過去のモノと比較
・能力抜けた馬が調子良ければ、人気でも信頼できる軸
・能力が足りないけど、調子良さそうな馬は相手に
・能力が「どんぐりの背比べ」のメンバー構成なら、調子良さそうな馬を軸にしても面白そう
・後ほど「データ」で紹介するが、調教師の成績と調教内容は少し関係性がありそうで、調教の場所一応確認したい
というような感じで見ています。

~~2022/3/14追記~~
 2022/3/12(土)の中山牝馬S、ウマい馬券の予想
12番人気で2着に好走した14.アブレイズ。原稿内で触れていないが、数値だけを見ていただくと「63」で出走メンバー中トップ。実際の追い切り時計を見ても速い時計をマークしていたので、上記の最後の
>・能力が「どんぐりの背比べ」のメンバー構成なら、調子良さそうな馬を軸にしても面白そう
このパターンだったように思う。本命か対抗か迷ったが、2走前のマーメイドSの時も栗東坂路で「49.2」とか出していたので、ちょっと怪しいかな…と思い、対抗に落としてしまい失敗した。

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