競馬場ごとの配当傾向に違いはあるのか?
まず基本的な前提として、競馬場によって配当に差が出るのか?という点から見ていきたい。
JRA(中央競馬)ではクラス体系が統一されており、出走馬のレベルも一定程度そろっている。コースごとに右回り/左回りの違いや、坂の有無、直線の長さといった特徴はあるものの、全体として配当に大きな偏りはないのでは?というのが、集計前の見立てである。なお、ここでの集計期間は直近10年間となっている。
配当平均
集計期間:2015/08/03 〜 2025/08/03
競馬場 | 単勝 | 複勝 | 枠連 | 馬連 | ワイド | 馬単 | 三連複 | 三連単 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
札幌 | 935.6円 | 326.8円 | 2,203.5円 | 4,835.4円 | 1,701.2円 | 9,483.3円 | 17,243.4円 | 109,746.4円 |
函館 | 918.6円 | 319.2円 | 2,157.2円 | 4,818.2円 | 1,673.8円 | 9,310.2円 | 16,856.6円 | 103,300.2円 |
福島 | 1,108.0円 | 357.8円 | 2,293.9円 | 6,352.6円 | 2,072.9円 | 12,708.9円 | 23,386.8円 | 148,445.0円 |
新潟 | 1,029.5円 | 351.7円 | 2,108.2円 | 6,243.2円 | 2,035.8円 | 12,317.5円 | 24,020.4円 | 143,841.6円 |
東京 | 1,000.6円 | 336.1円 | 1,977.5円 | 5,477.6円 | 1,899.2円 | 10,941.5円 | 21,576.0円 | 138,447.6円 |
中山 | 1,009.8円 | 347.3円 | 2,141.3円 | 6,064.3円 | 2,031.6円 | 12,086.2円 | 23,761.3円 | 153,226.4円 |
中京 | 1,012.6円 | 335.7円 | 2,136.6円 | 5,351.6円 | 1,889.1円 | 10,489.9円 | 21,788.9円 | 131,631.8円 |
京都 | 979.8円 | 338.2円 | 2,233.0円 | 5,394.3円 | 1,843.9円 | 10,534.0円 | 20,744.9円 | 128,727.2円 |
阪神 | 961.0円 | 332.0円 | 2,099.5円 | 5,263.1円 | 1,802.9円 | 10,356.5円 | 18,907.3円 | 117,769.6円 |
小倉 | 1,068.2円 | 354.9円 | 2,158.4円 | 5,739.9円 | 2,099.4円 | 11,681.3円 | 24,059.0円 | 144,237.4円 |
人気平均
集計期間:2015/08/03 〜 2025/08/03
競馬場 | 単勝 | 複勝 | 枠連 | 馬連 | ワイド | 馬単 | 三連複 | 三連単 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
札幌 | 3.3 | 4.1 | 6.9 | 12.0 | 14.8 | 22.9 | 36.0 | 199.7 |
函館 | 3.3 | 4.1 | 6.9 | 12.0 | 14.9 | 23.0 | 36.3 | 202.8 |
福島 | 3.6 | 4.4 | 7.4 | 14.6 | 17.4 | 28.2 | 47.3 | 267.6 |
新潟 | 3.5 | 4.3 | 6.8 | 13.9 | 17.0 | 26.7 | 45.3 | 255.0 |
東京 | 3.1 | 4.1 | 6.3 | 11.9 | 14.9 | 22.6 | 37.8 | 209.1 |
中山 | 3.3 | 4.2 | 6.7 | 13.0 | 16.0 | 24.9 | 41.8 | 233.1 |
中京 | 3.3 | 4.2 | 6.9 | 12.6 | 15.6 | 24.1 | 40.2 | 222.4 |
京都 | 3.3 | 4.1 | 6.8 | 12.1 | 15.1 | 23.1 | 38.7 | 213.3 |
阪神 | 3.2 | 4.1 | 6.6 | 11.8 | 14.5 | 22.5 | 35.6 | 197.7 |
小倉 | 3.5 | 4.4 | 7.2 | 13.9 | 17.4 | 27.0 | 48.3 | 271.1 |
上段の配当データを見ると、札幌と函館でワイド・馬単・3連複・3連単の平均配当がやや低めという傾向が見られるが、全体的には大きな差はなく、ほぼ横並びの水準と言えるだろう。
また、下段の人気順についても、札幌・函館はやや人気馬寄りの傾向が見られるものの、全体としては気になるレベルではない。
地方競馬における競馬場別の配当傾向
一方、地方競馬でも同様に直近10年分のデータを用いて、競馬場ごとの配当傾向を集計した。
こちらでは、南関東4場(浦和・船橋・大井・川崎)の配当が全体的に高めの傾向を示しており、特に大井競馬場の配当の高さが際立っている。人気の傾向を見ても同様で、南関東は平均人気が高く(=人気が割れている)、中でも大井が最も顕著だった。
このことから、大井競馬場では3連単など高配当馬券の的中難易度が高いことがうかがえる。
中央と地方の違いとは?
中央競馬と地方競馬で傾向が異なる要因としては、以下が考えられる。
- フルゲートの頭数の違い
- 出走馬の質(能力差)の大きさ
- クラス編成ルールの違い
地方競馬では、能力差の大きい組み合わせが発生しやすく、人気馬が一方的に走ってくる傾向がある。一方で、大井のように人気が割れて波乱になりやすい場もある。
また、地方では1レースあたりの投票金額が中央に比べて少ないため、1人の大口投票の影響が配当に大きく反映されやすいという事情もある。これは昔からよく言われている、地方競馬のオッズの“歪み”の一因でもある。