あくまでも競馬予想の話。日本の競馬のオッズは、馬券の券種ごとに投票された金額からJRAが一定割合を控除し、的中票数で割って配当を支払う仕組みである。
参考:馬券のルール JRA
単勝の場合、投票された総額のうち20%をJRAが控除し、残りの80%を的中票数で割る。他の券種も控除率が異なるが、的中票数で割る点は同じだ。そこで、どの馬のどの券種の馬券を買うかという問題になるが、他の人と同じ馬券を買うと的中票数が増え、1票あたりの払い戻し金額が減る。つまり、オッズが下がるということになる。
ブックメーカーなど海外の投票では、オッズがその都度変わり、そのオッズで馬券を購入できる。この場合、オッズは胴元が調整するため、胴元が損をしないようになっている。後から購入する人はオッズが下がった時点で馬券を購入するが、先に購入した人には影響がない。
そのため、どんな予想方法・馬券の買い方でも、他人と同じことをしているだけではオッズが下がるだけである。私は「人と全く同じことをしても仕方がない」と考えている。これは競馬に限らず、他人と同じことをしていればある程度のところまでは行けるかもしれないが、突出することは難しい。オリジナリティがなければ、結局は二番煎じに過ぎない。しかし、オリジナリティを出すための足がかりとして、上手くいっている人を参考にするのは有効だと考えている。つまり、方法自体を参考にしつつ内容を理解し、単なるコピーではなく別のものを作り出すべきだと思う。
競馬のデータに関しては、JRA-VAN (Data lab) やnetkeibaで様々なデータが提供されており、多くの人がそのまま使っていることだろう。競馬新聞も、何十年も前から使われているフォーマットが未だにそのままである。「もっとこうではないか」「こうすべきではないか」と思うことが多々ある。そうであるならば、自分で作るしかない。他人と競うスポーツやゲーム、ビジネスシーンでも同様で、成功者の真似をしたところで、それを実践している人を超えることはできない。人と違うことをしなければ、超えることは難しいのだ。
週刊少年マガジン連載の「ブルーロック」のように、レース(シーン)ごとに異なるアイデアで得点を取る(馬券を当てる)ために、日々のトレーニング(データ分析)とデータの理解が重要だと考えている。元のデータの内容を把握し、さまざまなアイデアを駆使して、最終的な馬券を組み立てていきたい。
AIについても同様で、提供されているデータは決まっている。これらのデータをそのまま使い、同じ学習方法(データの種類や期間)・予測方法を用いると、同じ結論に至ることになる。ここでも差別化を図るには、元のデータをしっかり理解した上で独自の切り口のデータを投入しなければ、差別化は難しい。AIは、手作業による集計や分析よりも精度が高いツールの一つとして活用できるものであり、上手く活用することで競馬予想に役立てたいと考えている。